骨粗鬆症に効く食べ物と悪化させる食べ物~Caを摂ればいいと思う人へ
「骨粗しょう症」のこと、どのくらい普段から気にしている人はいるのでしょうか?
おそらく、「カルシウムが大事」と分かっていても、何も対策をしていない人も多いかと思います。
骨粗鬆症は単にカルシウムを摂取すれば良いというだけではありません。
どんな食事をすれば、どのように良くなるかをお伝えしているので、ぜひ献立改善の参考にしてください。
この記事の目次
骨粗鬆症とは?
骨は常に破骨細胞によって壊され、そして骨芽細胞によって新しく形成されています。
2つの細胞が働き、毎日骨を作り変えているのです。
こうして骨は生まれ変わることによって堅牢さを保ち、負荷に耐えることができるようになっています。
また、骨はカルシウム分を蓄えているので、不足した分を骨から溶かし出し、体内へと送り出すのです。
この「骨を壊す・骨を作る」のサイクルが乱れ、壊れる骨が上回ると、骨量が減りスカスカの骨になってしまいます。
骨密度が低下した状態、これが骨粗鬆症と呼ばれるものです。
日本人のカルシウム不足とその原因
誰もが歯と骨の形成にカルシウムが欠かせないと知っていますが、日本人はどの世代の人もカルシウム不足になっているのが実情です。
日本は火山灰地が多く、当然そこで育つ作物はカルシウムを多く含んではいません。
水も同様にミネラルやカルシウム分の少ない軟水ですから、意識してカルシウムを含む食品を摂取する必要があります。
また、食生活が欧米化し、魚から肉中心のメニューへ変わったことも一因とされています。
魚にはカルシウムだけではなく、骨の形成を助けるビタミンDなどが同時に摂れるのです。
骨粗鬆症に効果的な食事
それでは、もっと具体的に骨粗鬆症に効果的な食べ物を見ていきましょう。
真っ先に挙がるのがカルシウム。
しかし、カルシウムはそれ単体では骨作りのための十分な力を発揮することができません。しかも、体内に吸収されにくい栄養素なのです。
そこで、先ほども出てきたビタミンDの出番です。
ビタミンDは骨代謝を盛んにし、カルシウムの吸収率を上げる働きがあります。
日光を浴びることでもビタミンDは生成されますので、適度な運動をすることでより一層効果的と言えるでしょう。
カルシウムが豊富な食材は魚、干しエビ、煮干し、小松菜、チンゲン菜、乳製品、大豆製品などです。
ビタミンDはシラス、鰯(いわし)、鮭、ウナギ、サンマ、干し椎茸など、主に魚に多く含まれています。
魚を主菜にして、青菜のおひたしや豆腐、おからの炒り煮や切干大根の煮物を副菜にすると良いでしょう。
骨を丈夫にするための食事
近年、骨密度だけではなく、骨質も重要視されるようになりました。
骨に求められるのは丈夫さです。
しかし、ただ硬いだけでは無理な力がかかると、ポキリと折れてしまいます。
肉体や臓器を支えるには、“しなやかさ”が必要なのです。
この柔靭さに貢献しているのがコラーゲンです。
コラーゲンの生成力増加のためには、たんぱく質、鉄、ビタミンCを一緒に摂ることが望ましいでしょう。
また、コラーゲンの劣化を防ぐ為にビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の摂取を心がけてください。
ビタミンCは野菜や果物、意外なところでは、煎茶の茶葉や海苔などの海藻類にも含まれています。
ワカメやひじき、赤ピーマンと黄ピーマンとパセリを組み合わせてサラダにすると良いでしょう。
また、いちごや柑橘類にはビタミンCと葉酸が両方含まれていますので、朝食には果物を付けることもオススメします。
ビタミンB6はニンニクや唐辛子に含まれているので、調理の際の下味や香味野菜として使うと良いでしょう。
ビタミンB12は魚卵に多く含まれていますが、それらはコレステロール値も高いので、魚を摂ることで十分な推奨量を摂ることができます。
また、貝類に多く含まれますので、お味噌汁の具をアサリやシジミにすることも献立を構成する上で役立つでしょう。
ビタミンK2や大豆イソフラボンは、カルシウムが骨から溶出するのを抑制してくれます。
納豆、ブロッコリーやほうれん草で献立に、上手に組み込んでいきましょう。
骨へのカルシウムの吸収率を妨げる食べ物
逆に、カルシウムの吸収を妨げるものも注意しなくてはなりません。
インスタント食品やスナック菓子に含まれるリン、過剰な塩分、糖分、脂肪、タバコ、カフェイン、アルコールの摂りすぎもカルシウムの吸収を妨げます。
魚中心の和食は塩分が多くなりがちなので、しょうゆを減らす、だしを上手に使う、お酢で味付けをするなどして減塩を意識する必要があります。
まとめ
骨粗鬆症を予防するためには、主にカルシウムやビタミンDの食事からの摂取が必要になってきます。
それに加えて、骨密度だけでなく、骨質の“しなやかさ”についても考えないといけません。
コラーゲンがそれに役立つ物質となるので、コラーゲン生成に起因するビタミンB6、ビタミンB12、葉酸を摂ることが大事です。
どんなに有効な食べ物も、バランスよく摂ることが一番大切です。
実際、ビタミンCなどは2~3時間で排出されてしまいます。
一度に大量に摂るのではなく、朝・昼・晩と三食に分けて小まめに摂取するよう心がけることで、骨粗鬆症の予防と骨の健康につながることでしょう。
☆カルシウムやビタミンDが豊富な魚料理メニューはここで検索できます!
▶人気のオススメ魚料理<ジャンル別>簡単レシピ・作り方まとめ