魚の栄養成分と効果まとめ-食事で健康になりたい人が見る解説集
魚一つを取っても種類によって栄養は異なります。
もちろん、カラダにとって良い効果も異なります。
代表的な魚の種類ごとに、含まれる栄養素と効能効果をまとめました。
もし今悩んでいる不調や症状があれば、それを改善する効果がある魚を食べて経過を見てください。
この記事の目次
鯵(アジ)
スズキ目アジ科。
特徴として、体側の側線上にぜんご(ぜいご)がある。
大分県佐賀関の関サバが有名。
イノシン酸アミノ酸が豊富である。
不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く、血中コレステロールを抑え、血液の流れを良くするので動脈硬化の予防になる。
アジに含まれるタウリンとの相乗効果によって、高血圧の予防にもなり、肝機能を強化し、眼精疲労の効果もある。
また、余分な塩分をカリウムが体の外に排出してくれる。
鰯(イワシ)
ニシン目ニシン科。
群れを作って回遊する。
100gあたり、ウルメイワシ136kcal、片口いわし192kcal、真イワシ217kcal、タタミイワシ372kcal。
良質なタンパク質やカルシウムを含み、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富に含まれている。
糖質や脂質の代謝を助けるビタミンB2も多く含んでいる。
ビタミンB2は皮膚、髪、爪の維持に欠かせない。
イワシの脂肪には、不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)があり、血中コレステロールを抑えて、脳を活性化させ、高血圧、ボケ、動脈硬化の予防にも役立つ。
鰻(ウナギ)
ウナギ目ウナギ科。
夏場の食べ物の印象が強いウナギですが、天然のウナギの旬は、脂の乗る10月から12月頃。
滋養強壮に欠かせないスタミナ食の代表。
豊富な脂質には飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)がコレステロールを抑えてくれる。
皮に含まれるコラーゲンが血管を柔軟にし、癌の予防にも効果があると言われている。
ビタミンA(レチノール)が豊富で、目の健康を支える作用があり、他にも免疫力を向上させて、感染症を予防する。
ビタミンBも豊富で、脂質の代謝を促進し、過酸化脂質が分解される。
鰹(カツオ)
スズキ目サバ科。
かつお節の原材料。
タンパク質が多く、血合の部分にはビタミンB12・ナイアシン・鉄・タウリンが多く含まれている。
ビタミンB12は赤血球の生成を助け、鉄分と共に貧血を予防する。
ビタミンB群のナイアシンは、脳神経の働きを助けて血行を良くする。
また、アミノ酸タウリンは血中コレステロールによる動脈硬化を防ぎ、肝機能の強化を助け、眼精疲労の緩和に作用する。
ビタミンDがカルシウムの吸収を促すことから、中高年者の骨を強化するのに役立つ。
更に、不飽和脂肪酸が、血中コレステロールを抑えて血栓を防ぐことから、動脈硬化の予防にもなる。
鰈(カレイ)
カレイ目カレイ科。
マカレイは100gあたり95kcal。
両目は原則として、体の右側の面に集まっている。
(ヌマガレイを除く)海底に潜む魚。
カレイは、高タンパク低脂肪のまさにダイエットに適した白身の魚。
良質なタンパク質が多く消化吸収も良く、体力を向上させ、代謝活動も促進させ、免疫を向上させるので、高齢者向けの食材でもある。
皮膚の健康を保つビタミンB群のビオチンは飛び抜けて豊富で、脱毛、白髪の予防にもなる。
豊富なコラーゲンによる美肌効果も女性には見逃せない特長である。
鮭(サケ)
サケ目サケ科。
紅鮭は100gあたり138kcal。
良質なタンパク質が豊富で体力を向上させ、代謝活動を促進し、疲労回復にも役立つ。
脂質は青魚に比べて少なめだが、中性脂肪を減らすEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)はしっかりと含まれている。
ビタミンDが多く、カルシウムの吸収を助け、骨粗鬆症の予防になる。
サケ特有のアスタキサンチンという色素は、非常に高い抗酸化作用が認められ、動脈硬化、癌の予防、老化防止にも有効。
サケの皮に含まれるコラーゲンやイクラに含まれるビタミンEは、細胞の老化防止に役立つ。
鯖(サバ)
スズキ目サバ科。
旬は初夏から盆過ぎ。
開いた鯖は数えにくいことから「鯖を読む」と言う。
サバには、不飽和脂肪酸と呼ばれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が特に多く、血中コレステロールや中性脂肪を減らす働きがある。
血液の流れを良くして、血栓による動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞の予防となり、DHAはボケの予防にも有効な働きがある。
ビタミンB群は、糖質や脂質の代謝を進め、疲労回復を促進する。
ビタミンDも多く含まれ、カルシウムの吸収を助ける。
「血合い」の部分には、鉄分も多く含まれるため、アミノ酸タウリンにより、血中コレステロールを抑えて、肝機能を強化する。
秋刀魚(サンマ)
ダツ目サンマ科。
旬は9から10月。
秋が旬にあたり、刀のような形をしていることに由来する。
日本から北米西岸までの太平洋北部に分布し、季節回遊魚。
サンマは、タンパク質、脂質が多く、不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が、血液をサラサラにし、動脈硬化、高血圧、高脂血症を改善し、認知症の予防にもなる。
ビタミンは、皮膚、髪、歯を強化するビタミンB6、悪性貧血を予防して精神を安定させるビタミンB12、血中カルシウムの吸収を助けて骨粗鬆症の予防になるビタミンDが豊富。
鯛(タイ)
スズキ目タイ科。
おめでたい席には欠かせない縁起の良い魚の代表。
天然物は100gあたり142kcal。
養殖物は100gあたり194kcal。
良質のタンパク質が豊富で、体力、筋力、免疫力を向上させる。
脂質は少なめで、特に天然物は低カロリー。
他の魚に比べて、旨み成分のイノシン酸の分解速度が遅く、脂質の少ないことから鮮度の低下がゆっくりしている。
疲労回復にも役立ち動脈硬化の予防にもなる。
不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は青魚類に比べると少なめだが、しっかりと含まれている。
鰤(ブリ)
スズキ目アジ科。
旬は10月から3月(寒ブリと呼ばれる)。
出世魚で、関東では、わかし→いなだ→わらさ→ブリ
関西では、つばす→はまち→めじろ→ブリと言う。
良質なタンパク質と脂質が多く、免疫力を向上させ、疲労回復効果に優れている。
EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれ、アルツハイマー病の予防にもなる。
血中コレステロールを抑え、血液をサラサラに改善し、血圧を下げて血栓を防ぐことで、動脈硬化の予防、高脂血症の改善に役立つ。
最後に
魚には豊富な栄養が含まれています。
新鮮なものであれば、なおさら美味しい魚。
健康で丈夫なカラダ作り、美肌のためにも、色んな魚料理で味を楽しみながら、普段の食生活にたくさん魚を摂り入れてくださいね。
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